「コミスジ」の珍しい吸汁習性を観察した |
「コミスジ」がバッタから体液を吸っていた
いつも散歩している=北本自然観察公園=で、珍しい光景に出会った・・・ナガコガネグモに捕まったセスジツユムシの体から「コミスジ」が吸汁していたのです・・・。
*バッタの種名の同定に時間がかかり、掲載が遅れてしまいました。
林縁を歩いていると、=桑=の樹に網を張った=ナガコガネグモ=の巣に=セスジツユムシ(直翅類・バッタの仲間)=が捕まっていて、そのバッタに更に寄り添うように「コミスジ」が捕まっているように思えたのです・・・そこで、近づいてデジカメで10枚ほど撮影して更に側によって観察してみると・・・「あれ?このコミスジ・・・生きている!・・・」何か違和感があったのでさらに数枚シャッターを押して、良く観察すると・・・なんと「コミスジ」は、=口吻=を伸ばしてバッタの頭部に差し込んでいたのです・・・これには驚きました!
2007-9-19 バッタに寄り添う「コミスジ」 北本自然観察公園

セスジツユムシは、既に=ナガコガネグモ=に頭部を齧られてなくなっていますが、どうやらこのバッタは、捕まってからあまり時間が経過していないらしく、その体液を察知した「コミスジ」が寄ってきて=吸汁=を始めたもののようです・・・。
どうやら、嗅覚が優れているのか、凄いものだと驚きました・・・。
「原色日本蝶類図鑑」や「原色日本昆虫生態図鑑 III」などで「コミスジ」の生態を調べてみました・・・「・・・・・シシウド・ネギ・カノコソウ・オトコエシ・クリ・アカメガシワ・ネズミモチ・などの花で吸蜜し、樹液・腐果・汚物などで吸汁し、湿地や人の肌や被服の汗に集まる・・・・」とあります。どうやら「コミスジ」は、何らかの臭覚を働かせて=セスジツユムシ=の体液を感じ取りその体液に惹かれてやってきたものだと判明しました・・・。
それにしても、=蜘蛛糸=の危険を冒してまでやってきた「コミスジ」の行動に驚かされました。
自然って面白いな!
2007-9-19 拡大すると「コミスジ」の口吻が良く見えます
北本自然観察公園にて
*コミスジ Neptis sappho Pallas,1771
