「キベリタテハ」の色彩の妙味・・・ |
昨日、車のパンクも直った事だし、もう一度「キベリタテハ」の翅の色彩を確認したくて出かけました・・・どうも今までの「キベリタテハ」の真ん中の=ビロード=状の色が良く出ていなかったので、実際はどんな風になっているのか確かめたかった・・・。
chochoensisは、子供の頃から、一つの事に熱中するタイプでトコトンやらないと気がすまない・・・直そうと思ってもつい、その癖が出てしまいます・・。
今回は、200ミリのレンズを使って色んな角度から撮影してみました、今日は朝から良く晴れており、気温も高く、時々雲がかかると言う撮影には絶好の日和でした。
今までの画像を見てみると、真上からの写真が多く、その場合「キベリタテハ」の真ん中のビロード状の翅はやや黒味がかった小豆色でした。前からの写真も似たような感じでした。
そこで、今度は太陽からの反射した光が直角に当たる位置に移動してみました・・・すると胴体の中心部の鱗毛が毛羽立つようにシッカリ見えます・・・。
こうしてみると、縁取りの黄色い帯状の中の前翅では明るい小豆色、後翅では暗い小豆色に見えました、しかも胴体付近には、かなりの=毛深い鱗毛=があることがわかります。
「チョウのはなし」 技報堂出版 と言う本の中に日本鱗翅学会会員の浜 栄一さんの報文があります、・・・「・・・アメリカのブラウン大学のキングソルバー助教授によると、日光浴で体を温めるとき開いた翅の基部(体に近い部分)に当たった太陽光線だけが体温を上げるのに役立つ・・・」とあります、つまりタテハチョウなどの翅を拡げるタイプは、熱吸収のための太陽光線は体に近い部分の色彩が影響すると言う事らしいのです・・・。
確かに成虫越冬の「キベリタテハ」ではこの色彩や=鱗毛=が太陽光線の熱吸収に役立っているのでしょうね・・・。
この日も、太陽が薄日になると積極的に翅を拡げていました・・・。
2008-9-9 キベリタテハ
縁の黄色がもっと出ると良かったと思いますが、両方を再現するのは本当に難しいです。
9月に入ってもこんな美しい個体に出会えるのは嬉しいですね。今年の発生は早そうだったので、とっくに擦れた個体ばかりになっていると思っていましたが、何とも羨ましい写真です。