羽蟻のこと |
=羽蟻(ハアリ)=というと家屋の湿った部位を食い荒らす「シロアリ」を思い浮かべますが、他の蟻(あり)でも巣別れする時には=羽=をつけた=アリ=を見かけることがあります。
社会性の=アリ=は、随分と研究が進んでいるようですが、面白いのは、=みちしるべフェロモンで行動する=事でしょう・・・昔、その行動の不思議さを本で読んだ時には本当に驚嘆しました・・・あれから何年虫たちと向き合ってきたでしょうか・・・この=アリ=達も季節を迎え、巣を離れる時があります・・・普段、私たちが見かける雌の=働きアリ=には翅がありませんが、女王アリには翅が生えて巣別れの時期があるのだそうです・・・。
「クロオオアリ」という種類の=アリ=は、5月下旬頃から6月頃にかけていわゆる=羽アリ=と呼ばれる個体がフィールドで目に付くようになります。
先日の事です、いつも散歩に行く「北本自然観察公園」に出掛けたら、「クロオオアリ」の女王アリと思われる個体に出会いました・・・本当に大きくて怖いぐらいです・・・。2センチぐらいはあったのではないでしょうか・・・。触角を振り回しながら草の間を動き回っていました。立派な=褐色=の翅をつけていました・・・この「クロオオアリ」胸部と腹部の中間に=尖った刺状=のものがあります、写真の中央付近に鋭利な尖った=刺=が見えるでしょう・・・この刺状のものを「腹柄節」といいますが、=アリ=を同定するときにこの形状が識別の重要な鍵になります。この「クロオオアリ」翅も立派で驚きました・・・「シロアリ」では困りますが、こういうアリならば安心して観察することが出来ますね・・・。今度、フィールドで見かけたらゆっくり観察してみてください・・・。
2008-5-22 「クロオオアリ」