産卵習性を知らなかった苦い経験・・・「ウラジャノメ」 |
中学校二年生の頃だった・・・信州で「ウラジャノメ」を捕まえて、夏休みの宿題にするために=三角紙=という硫酸紙に包んで東京に持ち帰ろうとした時に経験した事です・・・東京に帰ってその紙包みをあけると、そこに綺麗な色をした=卵=が数卵あったのです・・・意味がわからず困惑したのは勿論でしたが、その頃は未だ夏休みの宿題の昆虫標本を作ることに頭が一杯でいつの間にかその=卵=の事を忘れてしまいました・・・今考えると=放卵習性=のある「ウラジャノメ」の卵だったのです・・・かわいそうなことをしました・・・。今だったら、すぐに飼育にするという考えが浮かぶのですが、良き先輩も教えてくれる相談相手もいなかったので、無為なことをしてしまいました・・・今思っても慙愧に耐えません・・・。
=ジャノメチョウ科=の仲間はこのように食草に直に産卵するのではなく、食草のある周辺にパラパラと=卵=を撒き散らす習性があるのです・・・。
このような習性をその当時知っていれば、何とかしたのですが、惜しい事をしました。
今日は、「蝶と山・てくてく写日記」のbanyanさんと一緒に北関東に出かけました・・・目的は高原の草原に棲むアカセセリの撮影でしたが、その時に、ササの生い茂った山道でジャノメチョウ科「ウラジャノメ」に出会ったのです、このブログ初登場なので、慎重に撮影しました。
初めて観察したのは、半世紀以上前の長野県の山の中でした・・・それから永年の月日が経ってしまいましたが、今日観察できて幸せなひと時を味わったと同時に=苦い経験=を思い出してほろ苦い記憶を蘇らせてしまいました・・・。
この「ウラジャノメ」、和名の由来は、裏面にある=眼状紋=があることに由来しています。
しかし、属名:Lopinga=ロピンガ、という語源については良くわかっていないといいます。また「ウラジャノメ」の種名:achine=アキネ、については、暗い色彩の影響なのか=喪服を着た遺族=という意味なのだそうです・・・そういえば、シットリした色彩はそういう雰囲気があるかもしれません・・・。日本産については産地によって亜種が幾つかあり、それぞれに亜種名が付けられています・・・今日観察したのは、本州亜種でしたが、しばらくぶりで出会ったので嬉しくなりました・・・。banyanさん、同行させていただきありがとうございました・・・。
2007-8-6 久しぶりに出会ったシックな装いの「ウラジャノメ」
目的の蝶が何種類か撮影できて良かったですね。
ウラジャノメはもう少し時期が早い方がいいですが、ここのは裏面の白線が太いので絵になると思います。
ホシミスジの卵は残念でしたね。僕の方は産卵と気づかずに撮影していたようです。(笑)
この蝶はみたことあるようなきがしますが、いろんな亜種がいるのですね。
あさって子どもをつれてはじめて里帰りします。福岡周辺で、いろんな生き物が撮れるといいのですが。
秋には首の座った子どもと、わりと楽に、北本あたりいけそうです。ぜひまた御一緒したいです。