「コアホウドリ」 |
初めて「コアホウドリ」を観察したのは、今から5年前の小笠原に「アホウドリ」を観察しに行った帰りの伊豆諸島近海のことでした。大きくうねる波、そして漁船の間に「コアホウドリ」は飛んでいました・・・。しかし、このときに写真が撮れずに悔しい思いをしていました。
埼玉県狭山丘陵いきのものふれあいセンターで学芸員をしている自然観察の友人、石井 克彦さんにこのことを話すと、石井さんが昨年、伊豆航路で撮影した「コアホウドリ」の写真を持っているという・・・そこで、その写真を、このブログで掲載させてもらえないかとお願いしたら、快く承諾してくれました。
今日は、その「コアホウドリ」を掲載したいと思います・・・「コアホウドリ」は、大きさも、「アホウドリ」よりも小さく、翼を広げても2メートルほどです。目の黒さや翼裏面の縁取りの黒さが良く目立ちます。
漢字で書くと=小信天翁=となりますが、「信天翁(あほうどり)」の語源=アホウドリ=の漢語が「信天翁」と呼ぶことから来ています。
その昔、中国に「升菴外集」という書物があり、そこに、「・・・其の鳥、魚を捕る事ができないときには、鷹が捕まえた鳥が偶々自然に落ちてくるのを拾って食べる・・・」云々・・・とあり、*現代語訳:chochoensis・・・つまり、「天を信じて暮らしている自然体の野鳥」ともいうべき=おっとりとした鳥=とも言うべきなのだろうか・・・。そういえば、大量虐殺の憂き目に会った時でも、人を恐れずにいたというから哀れではあります・・・。江戸時代後期ごろ関東地方の武蔵国や上総地方では、そのおっとりした性格から信天翁を「ばかどり」などと言う異名まであったといいますから可哀想ですね・・・。*「菴(あん)」=庵(いおり)のこと。