「ウマノスズクサ」の花 |
毒草「ウマノスズクサ」の花・・・喇叭(らっぱ)みたい
「ウマノスズクサ」は、=ラッパ状=の花を咲かせますが、その根元には丸くなった=マリ(毬)=のようなものがあります・・・。我が家の庭で繁った「ウマノスズクサ」にもこの花が咲いたりしていました。雌性先熟で糞や腐肉に似た嫌な匂いを草全体から発していますが、この花も独特の匂いで小さな=ハエ=などをおびき寄せてラッパのような花から細い管を通ってその花筒の中に誘い込み、奥の球形の部屋におびき寄せてしまいます・・・。
毬状の部屋の奥には六角形の柱頭があって、側面には12個のおしべがあり、花筒には斜めに毛が生えて小さなハエは外に出られなくなってしまうといいます。
そして、=おしべ=が花粉を出すと、花筒の毛は、萎縮して花粉をつけた小さなハエは、外に出られるのだそうです・・・何とも合理的な仕組みではありませんか・・・。
「ウマノスズクサ」の和名の語源がこの=球状の部分を馬に付けた鈴(すず)=に見立てたものだと言いますから、昔からこの不思議な形をした花に注目していたのでしょうね・・・。
「ウマノスズクサ」の嫌な匂いの元凶は、アリストロキア酸、アリストロチン等の「アルカロイド」という毒の成分を含んだ匂いなのだそうです。腎障害を起こしたり、呼吸困難や呼吸停止に至る事もあるといいますから怖いですね・・・。
果実は馬兜鈴(ばとうれい)といって鎮痛、去淡、解熱、などに使い、根は、青木香(しょうもっこう)といって、解毒、消腫薬などにするらしいですが、漢方薬の世界の話ですから毒を持って毒を制する類なのかもしれません・・・怖いなァ・・・。