タテハチョウ科キタテハの食草「カナムグラ」 |
秋になると花を咲かせる「カナムグラ」
今頃の季節にフィールドを歩くと、茎にトゲトゲのある蔓性の植物があるのに気がつきます。歩いているとザラザラした感じの感触が手に伝わってなにやら好ましくない。
実は、この「カナムグラ」は、チョウの「タテハチョウ科キタテハ」の幼虫の食草になっていて、世間では雑草扱いのこの「カナムグラ」は、私には、大切な植物なのです。
「カナムグラl」は、クワ科、カラハナソウ属の一年性植物で、アルコール飲料の「ビール」の苦味成分の元になる「ホップ」と近縁の植物なのです。数年前に「キタテハ」のフル・ステージ写真を撮影するために、この「カナムグラ」としばらく付き合ったことがあります・・・しかし飼育に使用するには、水揚げで随分苦労しました・・・。
茎の棘(トゲ)に悩まされながら5裂に分かれた葉を探して近所の空き地にしばらく通いました。秋になると、花を咲かせますが、黄色っぽい「雄花」に比べて松かさ状の「雌花」は立派で、この「カナムグラ」は=雌雄異株=なのだそうです。
2006-10-11 「カナムグラ」 葉と雄花 埼玉県さいたま市
八重(やえ)むぐら しげれる宿のさびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
恵慶法師(えぎょうほうし)
*雑草の葎(ムグラ)が生い繁っている寂しい私の住居(すまい)に訪れてくる人などもいないのだが秋だけは確実にやって来たなァ・・・chochoensis訳
2006-11-1 「カナムグラ」雌花 北本自然観察公園