早朝の歌手「クロツグミ」 |
夏の高原の早朝、日の出前30分と言いますから、朝寝坊の私には、絶対観察できない野鳥だと思い続けていました・・・。この早朝の歌い手「クロツグミ」に出会ったのは、朝の日課となっている=朝の囀り=が終わって一休みに水場にやってきた「クロツグミ」でした・・・。群馬県の山の中の小さな水溜まりにやってきたのです・・・。黄色い嘴、雄の黒い背中、そして胸の特徴ある黒斑がとても可愛かったです。目の周りのアイリングも黄色で目立ちました。日の出前の30分ごろの囀りは、どの雄でも木の天辺で歌うそうですが、子供のためにミミズなどの餌を咥えて帰ってきたときには、巣のちかくで1-2声だけ別の鳴き声を出すと言います。これは、餌の、ミミズなどをたくさん口に咥えたまま囀るのだといいますが、雛に対する食事の合図、そして、ペアーに対する育雛の交代の合図なのだそうです。これが後に、雛の巣立ちの時にも役立つらしく、「・・・ミミズだよ!・・・」という親子のコミュニケーションになるといいます・・・。雛が巣立ちすると、一週間以内に雌は次の巣作りに掛かるために、雛の世話は雄がやることになってしまうといいます、オスも大変ですね・・・。
「クロツグミ」の異名は多く、江戸時代中期の「諸国産物絵図帳」には、「くはち」、江戸時代後期の「堀田禽譜」には、「くろしなひ」、同じく江戸時代後期の「薩摩鳥譜図巻」では、「くろひばり」などがあるようです・・・。その他、「こっけい」、「こんなひつぐみ」などもあります。