「クロヒカゲ」は、農民信仰の神様 |
「クロヒカゲ」は、やや薄暗い森林の中が好きなようで、そういう環境に出会うとこのチョウに出会うことが出来ます。「ヒカゲチョウ」と比べても薄暗い環境を好むようです。「クロヒカゲ」と「ヒカゲチョウ」も似ていますが、ハッキリした区別点は色調だけでなく、後翅裏面の眼状紋の「内側にある黒褐色の暗色条」が「クロヒカゲ」では、眼状紋列に並ぶように外側に強く曲がるのに対して、「ヒカゲチョウ」では、この内側の暗色条が弱い山型になることで、識別できます。*「ヒカゲチョウ」の眼状紋内側の暗色条については、2006-8-13 を参照してください。
尚、色彩も「ヒカゲチョウ」は明るく。「クロヒカゲ」では暗くなります。
自宅付近の郊外に出ると、「クロヒカゲ」が足元から飛び出しますが、暗いところにいるので、なかなか良い写真が撮れないでいます・・・。「クロヒカゲ」の種名:diana は、イタリアの古い女神で、ディアーナ女神の名前を冠したものだと言います。ディアーナ女神は、古い時代から「狩猟の神様」として知られ、「狩りの女神」としてあがめられたものだと言います。もっと古い時代には、樹木の精霊=樹木の女神として農民信仰で崇拝され、後に「人間の多産の神様」ともいわれて来たと言います。
「クロヒカゲ」が、やや薄暗い森林に棲んでいるので、樹木の精霊を思い起こさせる女神の名前をつけたのでしょうか・・・なかなか深みのある名前だと思います、地味ですが見直さなくてはなりませんね。尚、南西諸島では記録がないようですから彼の地で見つけたら発表に値するかもしれません。