「アリ地獄」の主・・・「ウスバカゲロウ」の蛹期は110日だった |
今年の3月14日に自宅近くの公園で「アリ地獄」=「アリジゴク」の巣を見つけて、童心に帰って、その「巣」を堀出してみた・・・子供の頃見た「アリジゴク」の幼虫が潜んでいた・・・大きな「キバ=大腮(たいさい)」を持った怪獣のような幼虫が出てきた・・・。
2006-3-14 「アリジゴク=ウスバカゲロウ幼虫」の巣
*ウスバカゲロウ
2006-3-14 「アリジゴク」幼虫、大きな「大腮」がある
もうひとつの「巣」をほじくると、なにやら「まゆ玉」のようなものが出てきた。砂粒を寒天質のようなものでつなぎ合わせて中に「幼虫」がいた・・・。もしかして、「蛹」になるのではないかと思い、その崩したブヨブヨの「まゆ玉」を付近の「砂」と一緒にケースに入れて飼育することにした。
翌日見ると、また「完全な1センチぐらいの、まゆ玉」が出来上がっていた・・・。
飼育すること110日、遂に「ウスバカゲロウ」が羽化した・・・。これは貴重な体験になった。
2006-6-23 羽化するときに頭部が出ている
生命の営みの神秘に触れたような気がしてもの凄く嬉しかった・・・
子供の頃、この「巣穴」にアリを落としこんで見たが、そのときには砂粒を穴底からアリのほうに跳ね上げて底に引き込み、「大あご」で捕まえて土の中に引きずり込み、体液を吸い取られた「アリ」は、キチン質だけになって「ポイッ」と巣から跳ね上げるように巣穴のそとに放り出されてしまった。この動作が、獰猛に見えたのか英語では「antlion(アントライオン)=蟻ライオン」と言われています。
調べてみたら、「幼虫期は2-3年」かかって地中で過ごし、成虫になると2-3週間の生命だと言いますから、儚い命なのですね、早速、羽化した「成虫」を生まれた公園に持って行きました。面白いのは幼虫時代は「糞」を一切しないそうで、「羽化」と同時にそれまで溜めていた便を一気に出すそうです・・・残念ながらその様子は観察できませんでした。
でも、羽化するときの「蛹」の様子が解ってとても勉強になりました。