「カラムクドリ」は、翼角の白斑が綺麗だな |
「カラムクドリ」は、インドネシア半島付近、ベトナムを中心にして冬越しして、暖かくなるとそれより北の地域にやってくる野鳥で、日本には、南西諸島に少ない個体がやってくる鳥なので、私には一生縁がない野鳥だと思っていました。
2001年の冬のことです、千葉県に「ハマヒバリ」が出たときのことです。朝早くから、現地に向かってハマヒバリを探していたときです・・・突然、携帯電話が鳴ったのです・・・野鳥観察の先輩からの電話でした・・・「・・・北茨城にカラムクドリが出ている・・・」息が詰まりそうでした。
勿論、ハマヒバリも見たいのですが、昨日、スコープ越しにシッカリ観察できていたので「カラムクドリ」は、もっと見てみたい・・・そこで、直ぐに常磐高速道路に乗って車を北茨城に向けたのでした。
現地に着くと、居ました・・・畑地の麦殻をまいてあるところにムクドリと一緒に居たのです、まさか、こんなに人家の近くで観察できるとは・・・ビックリすると同時に、嬉しさがこみ上げてきたのでした。
しかし、ラッキーなことに観察できた直後、翌日は姿を消してしまったそうで、幻の写真になってしまいました。
2001-2-22 茨城県:高萩市にて 「カラムクドリ」
*左側がムクドリ、右側の翼角の白い斑があるのが「カラムクドリ」
昔の書物に「本草啓蒙補遣」という本があって「黒田 楽善」が著した書物ですが、この中に「カラムクドリ」と思われる記述があります。「一種花円天久あり 灰色に頭黄なり 筑前方言にカナアリアギトウと云う・・・」とあって、今では「カラムクドリ」のことであろうと記載されています。ムクドリのことを以前、椋の実を食べることから「ムクドリ」と名前が付いたと書きましたが、この動作から「椋割り(むくわり)」という異名があり、「カラムクドリ」を「朝鮮むく」といったようです。
中国南部からやってくるのでそんな異名が付いたのでしょう・・・。