「ナミハナアブ」・「シマハナアブ」・「ナミホシヒラタアブ」 |
「ナミハナアブ」・「シマハナアブ」・「ナミホシヒラタアブ」
・・・「とっておきの散歩道」で見られるアブ君たち・・・
昨日から急に寒くなって、最高気温でも12-13℃ぐらいにしかないので、とても寒い、いつも散歩する「とっておきの散歩道」でも、花が急に少なくなって、昆虫たちの姿も寂しくなってしまった・・・。
今日紹介するのは、私が良く歩く散歩道で見られる「アブ」を紹介したい・・・。
2005-11-13 埼玉県:川越市小畔川河畔 「とっておきの散歩道」
河畔の植栽の菊も盛りを過ぎようとしているけれども、秋に良く見られるアブや蜂、ハエ、それに、「ヒメアカタテハ」「キタテハ」などが飛んでくるので、毎日楽しみにしています・・・。
ハナアブ科は、双翅目という仲間に分類されていますが、これは、「翅」が2枚しかないので双翅と呼ばれているのです。
しかし、よく見ると、退化した「後翅」の根元に「翅の痕跡」が残っているのです。
丁度、炊事用具の「おしゃもじ」か「スプーン」みたいな形をした退化翅=「平均棍(へいきんこん)」というのがあります。何の役にも立ちそうに無いのですが、実は、この平均棍というのがすぐれものの働きをするのです・・・進化の途中で退化した後翅は、小さくなって「スプーン」状になってハエやアブが飛ぶときに「バランス」をとっているのです。
つまり、ヘリコプターの後についている小さな「プロペラ」の役目と同じに「ジャイロ機能」を持っているのです。
ヘリコプターは上昇、旋回、ホバリングなど自由自在ですが、まったく双翅目の仲間も同じ事が出来るのです・・・。飛行中のバランスをとり、後とび、急旋回、ホバリングなど平気です。
もし、ヘリコプターの後に付いている小さなプロペラが無かったら機体は、クルクル廻ってしまいます。
アブやハエも「平均棍」のお陰で空中を自由に飛びまわれるのです・・・凄いですね!
2005-11-13 ナミハナアブ 川越市にて
*ナミハナアブ Eristalis (Eristalis) tenax Linnaeus, 1758
2005-10-20 シマハナアブ 川越市にて
*シマハナアブ Eristalinus (Eoseristalis)cerealis Fabricius, 1805
2005-11-13 ナミホシヒラタアブ 川越市にて
*ナミホシヒラタアブ Eupeodes (Metasyrphus) frequens Matsumura, 1917
上の画像のうち、ナミハナアブ♂とシマハナアブ♂は背中の縞模様だけでは区別が付かないぐらい似ていて、写真判定は出来ません。捕えて顔の前からルーペで調べないと同定できないのです。(上の画像のシマハナアブは♀と思われます)
シマハナアブとアシブトハナアブも似ていますが、腹部背面が違いますので慣れると判別できるようになってきます。そして、アシブトハナアブは「夏」多く見られ、ナミハナアブとシマハナアブは「春」「秋」に多いので、区別しやすいかもしれません。
ナミホシヒラタアブも似たものが多いので注意が必要です・・・。