蝿殺し・蛆殺しの原料・・・「ハエドクソウ」 |
小生が小学生か中学生の頃、田舎の方では、水洗式のトイレなどはなく、全てが=汲み取り式トイレ=だった。衛生状態も良くなかったのか、食料品店などでは、=蝿(はえ)=を捕まえるための=ハエ取りリボン=が流行っていたので、天井や鴨居から茶色のネバネバしたリボンがぶら下がっていた。このような不衛生な=ハエとりリボン=などは販売してないだろうと、自宅近くのスーパーマーケットに出掛けたら・・・なんと衛生害虫駆除コーナーで=ハエ取りリボン=が販売棚に並んでいました・・・。
このような蝿殺しの原料になったのが・・・今日の掲載種:「ハエドクソウ」である、昔は、この草の茎や根を煎じて煮詰めた液体に=主要毒成分=のフリマロリン(phrymarolin)があって蝿を殺傷したといいます。植物は、有毒ですが花は小さく可愛いのでシジミチョウ科の=ヒメシジミ=の交尾個体が静止した写真を見たことがあります。
自宅近くでは、林縁に多く生えており、葉は対生になって花は、横向きになり、花後の果実は下向きになり、花には3本の先が曲がった=フック状の棘=があります。
下の写真を見てください、3本のアズキ色の=棘(とげ)=がユニークです。
このフック状の棘で人間の被服や、動物の体毛に引っ付いて近くに運ばれて棲息範囲を拡げていきます。このために、植物のこうした習性を持つ仲間を・・・通称:ひっつきむし・・・と言っています。話がそれました・・・この「ハエドクソウ」の煮汁を塗ったという=ハエ取りリボン=や昔のトイレは開放的だったのでハエの温床地だったこのトイレに煎じた煮汁を撒いたのは、正解だったのかもしれません、=蛆(うじ)=はすぐに死んでしまったのでしょう、=蝿殺し=・=蛆殺し=・・・ネーミングがピッタリです。「ハエドクソウ」の花後は、果実が全て下向きになって、先端が曲がった棘は、人や動物が通るのを待っているようです、下の写真はそうした画像です。