蛍(ほたる)が似合う・・・儚い「ツユクサ」 |
いつも散歩に行く「北本自然観察公園」では、8月の蒸し暑い夜に「ヘイケボタル」の観察会が行われています。儚い夢を背負いながらこの「ヘイケボタル」の小さな=点滅=を眺めていると、田舎の方にいた頃を想いだします。どういうわけか、この蛍と結びついているのが・・・今日の掲載種・・・「ツユクサ」です。
=奈良時代・平安時代=のころ、この「ツユクサ」の花汁を繊維の染めあげに使われたと言います、=万葉集=では衣類に「ツユクサ」の花弁の汁をこすりつけて染めていたと言う・・・。その為に、=臼(うす)=の中に花弁を入れて=突くことから・・・「ツユクサ」を=月草(つきくさ)=または、=鴨頭草(つきくさ)=と言っていたと言います。平安時代に編纂された=古今集=でも=月草(つきくさ)=だったという・・・。しかし、江戸時代の1833年=備粗草木図=では、「ツユクサ」になっているという。この1,000年ぐらいの間に変化したらしい。
もともと「ツユクサ」が染めに使われたのは染色のためでしたが、色落ち、色あせなどが多くみられ、次第に一時的な染色としてのものと定義された。
他方「ツユクサ」も一日で萎れてしまい・・・=朝露に濡れている間は美しいが、夕方には花が萎れてしまう=・・・事から、「ツユクサ」は、儚い夢を持った草花だと言う事になったらしい。現在では、「蛍」と似合うのは、どうも「ツユクサ」といえるでしょう・・・どちらも儚い夢なのかもしれない。
2011-9-12 「ツユクサ」 埼玉県:川越市
下の画像は、「ツユクサ」の葉に止まった「ヘイケボタル」です。
2011-8-12 「ヘイケボタル」 埼玉県:北本市・「北本自然観察公園」