「クロミドリシジミ」 生活史 |
この、「クロミドリシジミ」は、まったく縁が無かった・・・しかし、数年前に友人から=卵=をもらって、飼育するチャンスをもらいました。普段は、=クヌギ=の大木の梢に潜み、なかなか降りてこないと言うから、半ば諦めていました。聞くところによると、前日に天候が悪かったりすると、早朝には下草に降りているらしい・・・。
「クロミドリシジミ」は、幼虫時代に=クヌギ=のフサフサした=花穂=を食べる事で良く知られていますが、この=クヌギの花穂=は、水揚げがあまり良くないのか飼育は困難を極めました・・・。
特に花穂が古くなってくると、新しい花穂に切り替えるのですが、「クロミドリシジミ」の幼虫が花穂に隠れてしまって、新しい花穂に上手く移動できない・・・。
それでも、3月の中旬の幼虫は、梅雨間近の5月上旬には羽化に至りました・・・大分=飼育=のコツも解り始めて、段々と面白くなってきました、勿論、=生活史=を掲載するのは初めてのことです・・・。
以下の画像は、その時に飼育した「クロミドリシジミ」の幼生期のフル・ステージ写真の全貌です。
①「クロミドリシジミ」 卵 2005-3-13 原産地:埼玉県・秩父市 ②「クロミドリシジミ」 幼虫 2005-4-18 ③終令幼虫 2005-4-30 ④「クロミドリシジミ」 蛹(羽化直前) 2005-5-2 ⑤=ミズナラ=の葉に止まった「クロミドリシジミ」 成虫
この「クロミドリシジミ」、比較的新しく発見されたゼフィルスの仲間で、1947年にチョウ界の権威、九州大学の故 白水 隆 博士によって新しく記載された珍しい種でその棲息地も局地的です。
種名:yuasai というのは、この「クロミドリシジミ」の発見者である「湯浅 啓温(ゆあさひろはる)」 博士に因んで付けられたものです。
「湯浅 啓温 博士」は、島根県の那賀郡和田村で明治33年に生まれ、大正15年に東京帝国大学農学部を卒業、ハムシ、テントウムシなどおもに=害虫=の研究で優れた業績を残された方です。湯浅博士は、農林省農業技術研究所(現:環境技術研究所)所長なども務められた方です。
名前がクロだから幼虫も黒いのですね。(^^;)