=万葉集=に詠まれた・・・「ヘクソカズラ」 |
自宅周辺の林縁や公園の植え込みを見て歩くと・・・=蔓性(つる)=の植物が絡みついているのに気が付きます・・・=アカネ科・ヘクソカズラ属=「ヘクソカズラ」。
顔を近づけるとなんとも独特の嫌気臭が鼻を襲います、こんな嫌な匂いにも誘われてやってくる=チョウ=がいます・・・=セセリチョウ科=「コチャバネセセリ」です。
この=コチャバネセセリ=を待ち受けているのが、蜘蛛(くも)の仲間・・・「ハナグモの仲間」です、薄緑色をした目立たない姿をしているために、多くの種類のチョウが彼らに捕まってしまい犠牲になるので、時々その光景を目にする事になります。
今日の掲載種・・・「ヘクソカズラ」・・・植物から出る嫌な匂いが可愛そうな命名になったのでしょうが、気の毒のような気がします。
=万葉集=の中に、皇族の「高宮王(たかみやのおほぎみ)」が、「ヘクソカズラ」の詩を詠んでいます。
「さうけふに はいおほとれる くそかずら たゆることなく みやづかえせむ」
*サイカチの樹にとめどもなく絡み付いてどんどん伸びる=ヘクソカズラ=の旺盛な様は、絶えることなくいつまでも続く宮仕えのようだ。奈良時代から、知られていたのですね・・・。
*chochoensisの拙い訳なので、すこし間違っているかもしれないです。でも感じとしてはこんな具合の詩だと思います。「ヘクソカズラ」の旺盛な生育を良く観察した詩だと思います・・・。
別名:としては、花の形から=お灸=に見立てた「ヤイトバナ」、ヤイトと言うのはお灸のこと・・・もう一つは、田植えをする時に婦女子=早乙女=が被る=帽子=に見立てた「サオトメバナ」・・・などがあります。
いや~、少しかわいそうになるようね命名ですね。
この花を実際に匂ってみたくなりました。匂いではなくて臭いなのかもですが。
万葉の頃からこんな名前を付けられて気の毒ですね。確かにセセリチョウがこの花にやって来ているのは見かけますし、画にもなりますね。
chochoensisさんのレポートにより、色々なことを学ばせていただいています。今後も楽しいレポート期待しています。余り無理しないでくださいね。フィールドでの再会も楽しみにしています。
先日chochoensisさんの所属される会の展示で
お仲間の方々のすばらしい写真を拝見しました。
その中で私の友人Mさんのスズメガ科ホウジャク
の写真がありましたが、そのホウジャクの何種か
の食草がヘクソカズラですよね。冬、枯れてから
熟した実をつぶすとあの臭い果汁が出ますが、
ジョウビタキなどはそれを食べているようです。