極小サイズ・体長2ミリのコオロギ「テラニシアリツカコオロギ」 |
「北本自然観察公園」定例観察会で見つかった体長:2ミリのコオロギ!
chochoensisが過去に観察した=バッタ・コオロギ=の仲間で一番小さかった種類は・・・体長4~5ミリほどの小さなバッタ・・「ノミバッタ」が極小サイズだと思っていました・・・。
しかし、昨日の「北本自然観察公園」で行われた=定例観察会=で見つかった=コオロギ=の仲間には驚きました!・・・・・なんと!体長が2ミリー2.5ミリぐらいしかなかったのです・・・。
=アリヅカコオロギ=の仲間だということで、=双眼実体顕微鏡=で確認するという極小サイズの=コオロギ=でした・・・接続したテレビ画面で見ると・・・ずんぐりした体形・・・そして後ろ脚の=腿節=が異常に膨らんで大根足になっています・・・。触角は小さな体に比較してやや長く触角がなければ、まるで=蚤(のみ)=のような体躯です・・・。
早速、責任者:高野 徹 学芸員(埼玉県生態系保護協会:統括主任研究員)に教わりながら、種の同定について「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」及び、「埼玉昆虫誌」などで調べてみました・・・。
本州産の=アリヅカコオロギ=には複数種がいることがわかっているというのですが、現在のところ、Myrmecophilus sapporoensis に該当するかどうか結論が出されていないようです・・・。
この=アリヅカコオロギ=の仲間は、主に、=トビイロケアリ=などの=ケアリ亜属=の巣中で見つかる事が多いことを知りました・・・。
=アリヅカコオロギ=の仲間は、トビイロケアリ・ハヤシケアリ・カワラケアリ・ヒゲナガケアリなどの=ケアリ亜属=の巣中で、=蟻(アリ)=と同じような成分を分泌して=ケアリ=を騙してアリが運んできた食物を横取りして盗み、食べているという恐るべき習性があるのだそうです・・・。
今回の=定例観察会=は、土中の生き物を探すというイベントだったのですが、数年前から枯葉や落ち葉を集めた集積場の枯葉をチビッコたちと一緒になってちいさな=虫=を探して、久しぶりに童心に返りました。
本州産の=アリヅカコオロギ=について、「埼玉昆虫誌」では、「クロアリツカコオロギ」=別名:「テラニシアリツカコオロギ」 1種が埼玉県では確認されているといいます。
*然し、前述のように、M.sapporoensis に該当するかどうかの判断は示されていない。
日本直翅学会が編纂した「バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑」では、1914年に 当時の昆虫世界という雑誌に「寺西 暢」が初記載した「テラニシアリツカコオロギ」として記載されています。
このブログでも、上記の理由から、初めて記載された「テラニシアリツカコオロギ」を採用しています。
2009-11-29 「テラニシアリツカコオロギ」 北本自然観察公園にて
*テラニシアリツカコオロギ Myrmecophilus teranishii Teranishi, 1914
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