厄除けの主・・・「カトリヤンマ」 |
いよいよ、高齢の佳境・・・生誕して既に72年経ってしまった・・・この佳き日に邪気払いの虫は居ないかな?と考えました・・・。早速友人に連絡して室町時代から厄除け・疫病などに関係する=虫=・・・疫病を媒介する=蚊(か)=に関係のある=トンボ=・・・「カトリヤンマ」を観察に行くことにしました・・・。
室町時代の末・・・1544年に出版された「世諺問答(せいげんもんどう)」という書物があります、作者は、=一条兼良=という人で、=一条兼冬=が補完した書物です。世の中の色々な出来事を易しく説いた問答集です。
その「世諺問答」に=トンボ(蜻蛉)=に関する記載があります。
*以下の原稿は、京都大学附属図書館 蔵 の谷村文庫の公開文書で調べた「世諺問答」を読んでみて、記事にしました・・・。=文責:chochoensis=
問:こきのこについて、つき侍るは、いかなることや・・・胡鬼(こき)の子を突くというのは、どういうことか?
答:これは幼きものの蚊に食われぬまじない事也
秋の始めに蜻蛉(とんぼう)と云むし出きて蚊をとりくふものなり、こきのこというは木連子(もくれんじ)・・・=注:ムクロジのこと=などをとんぼうかしらにしてはねをつけたり、これをいたにてつきあぐれば、おつる時とんぼうかえりのやうなり、さて、蚊をおそれしめんためのこきのことて、つき侍るなり。
・・・秋の始めに発生する=トンボ=が蚊を食べてくれる、そして羽子板=胡鬼板(こきいた)=でムクロジの実に羽根をつけて羽子板で突けば、落ちてくる時にクルクルと=トンボ=のような様になる・・・このように蚊を退治するという意味で=胡鬼の災い・・・悪い疫病=つまり、羽根を打つことで、幼い子供たちを病から守るのだというのです。・・・
「日本産トンボ幼虫・成虫検索図説」によれば、この=トンボ=が「カトリヤンマ」だというのです・・・。このように、正月の羽根つきが蚊に食われない為の=まじない(迷信)=から始まったというのがとても面白い!和名の由来は、勿論、黄昏時に変幻自在に飛び回って=蚊=を捕食するヤンマの意味からです。
2009-10-15 初めて撮影した「カトリヤンマ」 埼玉県
雄の尾端の上部附属器がとても長いのが特徴です
*カトリヤンマ Gynacantha japonica Bartenef, 1909
があっており飛翔写真のお手本のような画像ですね!
一病息災という言葉がありますが、体調に気をつけられてこれからも素晴らしいブログを続けてください。
羽根突きの由来がトンボに関係あるというのは知りませんでした。
昔の人は発想が豊かですね。