世相と歩む人生 キマダラルリツバメ観察の頃 |
「キマダラルリツバメ」の翅裏斑紋が少しおかしい・・・
この「キマダラルリツバメ」も「チョウセンアカシジミ」を観察しに行った、岩手県岩泉町で観察したのが最初でした・・・当時は、この「キマダラルリツバメ東北亜種」といわれるものがあまり広く知られていなかった頃でしたので、我々の観察が昆虫誌に掲載したぐらいの頃だったのです。その、1958年から既に約半世紀経ってしまったのですが、関西地方以西では、かなり有名な生息地もあることから、東北の「キマダラルリツバメ」を見にいきたいという気持ちが加齢とともに強くなっていました・・・。東北地方にこだわったのは、最初に見た「キマダラルリツバメ」の印象が強く残っていたからかもしれません・・・。
福島県西部、新潟県に近いところに博士山という標高1482メートルの山があります。この山で、1969年7月24日、当時、茨城大学の学生が「キマダラルリツバメ」を採集したのですが、この時点までは、東北地方の「キマダラルリツバメ」は、岩手県陸中地方しか生息分布が知られていただけで、福島県での発見は大きな反響を呼ぶことになったのです。現在、鱗翅学会の会員でもある「角田 伊一(つのだいいち)」さんが、これに刺激を受けて調査を開始し、それから8年後、ついに=博士山=産の「キマダラルリツバメ」を発見したのです。すでに、時節は、1977年7月4日になっていました。こんな経緯がある福島産の「キマダラルリツバメ」にどうしても会いたくなって今回は、「鳥蝶ビデスコ」のmtana さん、そして秋ヶ瀬野鳥クラブのFさん夫妻と出かけたのです。現地で、Fさんが探してくれた「キマダラルリツバメ」を色んな角度から撮影していると、何か違和感を感じていたのですが、撮影中はそこまでの余裕がなくフィルムを現像して気がついた事があります・・・右翅が全体にやや暗く感じていたのです・・・そこで同行の方々が別の個体の開翅写真などを狙ってる間も、わたしは、ブログの精神のように=ゆっくり=1頭の「キマダラルリツバメ」に拘って撮影していました・・・天気もあまり思わしくない状態がそうさせたのかもしれません。まずは、全体を見てください・・・。
2007-7-1 「キマダラルリツバメ」 右翅
最後に「キマダラルリツバメ」の学名について触れておきましょう・・・キマダラルリツバメ属:Spindasis の語源は詳しくわかっていませんが、まったくの個人意見ではラテン語の=トゲ(棘) Spina=あたりがなにか気になります、尾状突起の飛び出しが気になるのです。また、種名:takanonis と言うのは、蝶の研究家:「高野 鷹蔵」氏にちなんで付けられたものです・・・高野鷹蔵さんのことは、高山蝶タカネヒカゲが掲載できたらまた触れるようにしましょう。