水中の蠍(さそり)・・・「タイコウチ」 |
「タイコウチ」・・・一度くらいこの名前を聞いた事があると思います、然しその姿を詳しく眺めた方はあまり居ないかもしれない・・・。水深のあまりないドロ質のよどんだ流れのようなところに居て、まるで朽ち果てた=葉=のような平べったい体形をしています。北海道には居ませんが、それより南には分布しているようです。その姿をはじめてみた瞬間・・・猛毒を持った=蠍(サソリ)=を連想してしまった。東南アジアに居たときに、小型のサソリを何回も見ましたが前脚の構え方がそっくりなのに驚きました・・・。この、前脚の構え方や、泳ぐ時の前脚の使い方が、お祭りの時の=太鼓を打つ姿=に似ている事から・・・「タイコウチ=太鼓打ち=」となったと言います。
日本人にとっては、この泳ぐときの前脚が左右交互に差し出す姿を=太鼓打ち=として連想したのでしょう、これが和名の由来のようです。
英名は、私が経験した=サソリ(scorpion)=を連想した=Water scorpion=と言う名前のほうになったようです・・・。
この「タイコウチ」・・・尻尾のほうに体長と同じくらいの長さの2本の=呼吸器官=を持っています、この呼吸器を水面に出して空気を取り入れるのですが、丁度、水中散歩をするときの=シュノーケル=のような役目をしています、姿は、タガメに似ていますが、体形が細く、小さいので区別できます。また、タガメには尻尾に短い呼吸器しか付いていません・・・。
他の水生カメムシ類と同じように、小魚などに口吻を差し込んで体液を吸ってしまいます、怖いですね・・・。
卵は5月ころから初夏の頃に10卵ほど産卵しますが、その卵に丁度、イソギンチャクのような7-8本の紐状のものが付いていて、これが空気を取り入れるので、卵が水没すると死んでしまうと言います。昔ほど観察出来なくなったのは少し寂しいです・・・。
タイコウチ・ミズカマキリ・タガメなどの水中昆虫とあえてよかったですね。
この日はナキウサギを探して山の上です。隊長と電話して、タガメのとこにいくといっていました。
会えてよかったですね。タガメは体液を吸うのですもね。かえるの皮だけが残っていた記憶があります。
そんな夢が忘れられず、3年ほど前、近くのペットショップで売っていたタガメを購入して育てたことがありました。野生の個体を見てみたいですね。
私はこれら3種ともあまり珍しさを感じなかったりします。感じるのは懐かしさです。
子供の頃は田んぼや、田んぼの中の水路などでよく見かけていたからです。ミズカマキリなんかは小中学校の頃、プールにいました(^^;)
でも、近年その田んぼや水路も大規模な整備が行われてしまったので、田舎に帰ってももう見る事は難しくなってしまったかもしれません…今、あらためて気が付きました。
そこで生活している人たちにとって便利な暮らしの為なので、なんにも言えませんが。
是非連れて行ってください・・・。