「クロマダラソテツシジミ」 生活史(I) |
昨年から友人の協力をもらって=幼生期=のステージ写真撮影に取り組んでいた幻のチョウ・・・「クロマダラソテツシジミ」・・・昨年は、蛹まで育てたものの、厳寒期を迎える頃の温度管理に失敗してステージ写真が頓挫してしまった・・・。今年も再び協力してもらってやっと羽化の様子を撮影する事が出来ました、本当に嬉しい・・・。
私の持っている古い図鑑には、この「クロマダラソテツシジミ」の記載がありません・・・僅かに日本産蝶類標準図鑑に数行の説明があるだけです・・・それによりますと、1992年に沖縄南部、2001年に与那国島で観察されたとあります・・・。東南アジアには広く分布しているようで、台湾・フィリッピン・ボルネオ・西インドなどに棲息しているといいます・・・。20世紀初頭に発見され長い間、幻の蝶と言われた=ソテツシジミ=(旧名:キヤムラシジミ)と同じ仲間で、Chilades属に含まれています。最近では関西地方や九州地方でも見られるようなのですが、どうしたのでしょう・・・食樹のソテツ科植物の移入などで日本にやって来たのでしょうか、浪漫が感じられます・・・。ギリシャ七賢人の一人に、Chilo=キロー=と言う神話上の人物がいますが、そのキローの子孫という意味で付けられたのが、この=ソテツシジミ属=なのだそうです。ですから、ソテツシジミもクロマダラソテツシジミもギリシャ七賢人の子孫・・・考えただけでも崇高な気分にさせられてしまいます。迷蝶扱いです。
いつまで続くか判らない珍蝶を観察できるなんて凄い事です
私も毎日庭を眺めて何匹飛んでいるのかとか観察しています
関西では今年も発生?して、今では兵庫県から大阪府、京都府まで範囲が広がっているようです。九州でも鹿児島県・宮崎県・長崎県で確認されています。この先、どうなるんでしょうね?
以前、与那国島で発生した時に幼虫を育ててみましたが、寒くなると羽化する途中で、動けなくなり、そのまま死んでしまうことがありました。暖かい場所があって、そこで越冬しているのでしょうか。
九州と違って人為的に運ばれた可能性が有りますが、それでも定着してくれると嬉しいのかも知れません。複雑です。