高級天蚕糸になるヤママユガ科「ヤママユ」 |
昨日、志木市在住の福永さんと一緒に狭山丘陵に行った・・・既に彼女は、自然観察会に何回か参加していて、このフィールドが詳しいので、案内してもらったのです。
ここで観察した虫たちは、はじめて観察するものもあってとても楽しく過ごす事が出来ました。今日は、その中で出会った、ヤママユガ科ヤママユガ亜科「ヤママユ」です。
「ヤママユ」といえば、絹織物の中でも高級品種に属する野性生糸を思い出しますが、その昔から全国で=生糸生産=が行われていた事は、有名ですね・・・そのような家で飼育する生糸生産に比べると天然物は、生糸の艶が強く、優美な光沢と強伸力に優れているのが特徴です・・・。生糸生産といえば、まず、長野県穂高町有明地方(旧 有明村)を思い出してしまいます。「ヤママユ」の繭(まゆ)は、ご存知のように、黄緑色の繭で、非常に丈夫な絹糸(いわゆる天蚕糸)を作る事で知られています。
今から約200年もの昔、天明年間(1781-1788)のころこの=有明村=で野生の天蚕(ヤママユ)を飼育する事が始まり、70年ほど掛けて飼育の研究が進み、嘉永年間(1849-1853)頃には生糸を=紡ぐ技術=、つまり操糸技術が進歩したのだと言います。更に、明治年間になると、糸の操糸作業が=踏み取り式機=になり生糸生産の黄金期を迎えたのだと言います。このような野生生糸を生産する「山繭(ヤママユ)」の羽化直後の個体に出会うことが出来たのです。この「ヤママユ」、翅を拡げると15センチぐらいはありそうな立派な蛾でした・・・「ヤママユ」の個体の色彩は変化が多く、下の写真のようなやや暗い色彩のものから赤褐色、または黄褐色のものまで変異が多いと言います。この「ヤママユ」の鱗粉が=二重構造=になっていて、黄色い鱗粉の上に赤褐色の鱗粉が乗っているために時間が経過すると上の鱗粉が落ちてしまい、下の黄色い鱗粉が現れるので色が色々と変化してしまうのだと言います。
この画像の「ヤママユ」は、羽化直後のようで、とても美しい・・・。
2007-9-21 羽化直後の「ヤママユ」
*ヤママユ
しかし、最近の化学繊維の発達で天蚕飼育(山繭の飼育)はすっかり衰退してしまったのは、とても残念です・・・。
尚、全国各地に天蚕に関する博物館は多くありますので、一度訪ねてみてはどうでしょうか?
関東地方の博物館を下に掲載しておきます・・・参考にどうぞ・・・。
群馬県:日本絹の里(群馬町)、前橋市蚕糸記念館(前橋市)、織物参考館 紫(桐生市)、
埼玉県:片倉シルク記念館(熊谷市)、ちちぶ銘仙館(秩父市)、
茨城県:結城紬関連施設(結城市)、
東京都:絹の道資料館(八王子市)、東京工業大学繊維博物館(小金井市)、
栃木県:佐野市郷土博物館(佐野市)、
神奈川県:横浜シルク博物館(横浜市)、
*志木市、福永さんのブログは、野鳥や花・虫たちが出てきます。
「今日も吉日/ウエブリブログ」 chouyohanayo.at.webry.info/200709/
日が経つと鱗粉が落ちて色が変わるというのも面白いですね。
福永さんのプログに今から遊びに行ってきます。
斑紋が色鮮やかですね。
昆虫など全てに目がいくので見つかるのかもしれません・・・それにしても「ルリモンハナバチ」は、未だに写真が撮れません・・・羨ましいです。
ガは中々撮影しませんが、これは是非であってみたいですね。
素敵ですね、本当に綺麗な子、完璧ですね。
友人に生糸の専門家がいて、彼は東南アジアを巡り
黄金の繭を生み出すお蚕さんを見つけ、
今では超高級生糸生産工場を現地に起こし、
この生糸は日本に入って来ています。
新聞やTVでも、この黄金繭は有名になりました。
信州の辰野~諏訪には「こだま様」という神を祀る
小さな祠があちらこちらにあります。
これはお蚕さんの神様なんですよ。
また、道祖神には猫神様があって、これもネズミさんから
お蚕さんを守る為のものなのです。
道祖神は、村の入り口近くにありますから、
ネズミさんの侵入を防ぐための信仰なのです。
余談ですが、彼は幻の古代紫染めを復元するために、
メキシコ半島まで行って、紫の染料の元になる
紫貝を収集に行ったりしました。
日本の織物、色、それぞれが自然からの
恵みで成り立っていたんです、、。
自然志向…今は高価過ぎて手が出ませんが。