ムラサキツバメ幼虫と「ハリブトシリアゲアリ」 |
「ハリブトシリアゲアリ」と確認できた!
先日、自宅近くの工業団地の植え込みを覗きながら散歩していると、今年も「ムラサキツバメ」の幼虫がいた・・・。ここのムラサキツバメは、植え込みの剪定が9月上旬ごろ行われる事が多く、ムラサキツバメの幼虫にとっては今が=受難の時期=といえるでしょう・・・多分、行政の指導もあってこの時期にマテバシイの剪定をするのでしょうが、幼虫は殆ど全滅してしまいます。しかし、幾つかはしぶとく生き残って世代を繰り返しているようです。
今まで観察してきたムラサキツバメに群がっている=アリ=については、北本市で観察した「クロオオアリ」を確認していますが、時々、体長が2-3ミリの小さい=アリ=が居る事に気がついていました。
おそらく、=アミメアリ=辺りかな?と思っていたのですが、種名を特定しておく事は大事なので、この団地の植え込みのムラサキツバメにたかっていた=アリ=を1匹捕まえて、調べる事にしました。
私がいつも行っている=北本自然観察公園=に出掛けて=実体顕微鏡=を借りて同定する事にしました・・・。この公園には、自然度が一杯のフィールドがあって、しかも自然科学の=蔵書=も豊富にあり「日本産アリ類全種図鑑」=学研=もありますし、顕微鏡なども揃っていて、申し出をすれば貸してくれるのです。
=実体顕微鏡=で検鏡してみると、アミメアリとは違う事がわかりました。胸と腹部の中間にある=前伸腹節刺=といわれる=刺状の突起=の形態が鋭利ではなく三角形になっていてアミメアリとは違っていますし、色彩・胸背面の形・腹部先端の尖り具合などなどから別種の「ハリブトシリアゲアリ」だと言う事が判りました・・・。
この「ハリブトシリアゲアリ」は、どちらかと言うとジメジメした湿潤の環境を嫌うために、樹皮下や樹木の腐敗した腐朽部に好んで営巣する謂わば=樹上性アリ=なのです・・・。
この「ハリブトシリアゲアリ」と言えば、チョウ好きの方は、すぐに「キマダラルリツバメ」を思い出すのではないでしょうか・・・。私も図鑑などで「キマダラルリツバメ」と「ハリブトシリアゲアリ」の給餌行動の写真を眺めては、ため息を漏らしていたものです・・・。
現実の「ハリブトシリアゲアリ」がこの顕微鏡に映し出されているのに心が高揚してくるのが解ります・・・種名を同定できた事に対する喜びでしょうか・・・。
これで、少なくても自宅近くの「ムラサキツバメ」は、「ハリブトシリアゲアリ」と共生関係があるこという事実をまた一つ確認できました・・・とても嬉しいです・・・。
2007-9-9
こちらのアリも同じなのか興味あります。
ダンダラさん同様、確認してみます。(今迄何となく見ていた感じでは普通見かける種類のように思いますが・・・。)