「ミドリシジミ」雌の=多型現象= |
今日は、朝5時に起きて、さいたま市の公園に向かった・・・目的は、「ミドリシジミ」雌の色彩変異を撮影するためです・・・。昨年より前の写真を利用すれば良いのですが、こだわって、新鮮な画像を使いたい・・・この思いが早起きになったのです。
現地に到着すると、どんよりした天気になって居ました・・・この天気ならば、開翅の画像も撮影しやすそうなので、狙って歩く事にしました・・・朝の6時20分と言えば、未だ蝶ウオッチングの人も居ない・・・むしろその方が好ましい・・・。
この「ミドリシジミ」の色彩変異の事を、=同一種の多型現象=と呼んでいるのですが、まとめて、「遺伝型多型」といい、表現形質を支配する遺伝子の様々な組み合わせによって、多くの型が同じ場所に現れるものをいいます。
この場合の「ミドリシジミ」雌だけに現れる「遺伝的多型」は、全部で4型に分けられていますが、その中間的な型もあり、線引きが難しいです。
無紋、赤色紋、青色紋、赤青両型出現紋、とあって、それぞれ、O,A,B,AB,と名前が付けられ、この多型について、1952年、京都大学理学部教授の「駒井 卓」博士は、「・・・集団遺伝学的な資料から3つの複対立遺伝子に支配されている」という説を発表しました・・・難しい事は解りませんが、現在では、この駒井説が定説になって4型が支持されています・・・。*「チョウのはなし II」博報堂出版より。
以下の画像を見てください、全て本日、さいたま市で撮影したものです。なかなか面白いです。
2007ー6ー18 「ミドリシジミ」雌 O型 埼玉県:さいたま市にて
A型のミドリシジミって、まだ見たこと無いです。アイノなどはA型が一番多いような気がするのですが・・・。
それにしても、この曇天で4種をそろえてしまうとは、素晴らしいです。(^^)
四半世紀ほど前、鹿児島県警が交通事故と血液型との相関を調べたら、A型が一番事故率が高いと言う結果が出て、A型の人は車の運転に気をつけろとかいう記事が「月刊文春」に載ったんですが、精読すると上記した血液型分布と同じだったんで、「なぁ~んだ、ホントの結論は事故を起こしやすい血液型はない」ってことなんじゃないかってA型のボクは怒ってました。
私はB型しか見たことありません。同じ場所でそこそこ雌を見ましたけれど全てB型でした。面白いものですね~・・・。
↓のベニシジミの暗色につきましても興味深く拝読させていただきました。結構黒い個体を貼りましたのでご欄ください(とさりげなくPR(爆))。
たしかに、OとA、BとABは紛らわしい個体もあって悩みますね。
こちらは結局AB型だけ残りました。小さなフィールドなので、ばらつきがあるようです。
来年はAB型を求めてそちらにもおじゃましようかな。
身近で見られるゼフとは言え有り難い存在ですね。
1日でこんなに撮影出来るとは、早起きは三文の徳ということでしょうか。
撮影おめでとうございました。
これに対して、ミドリシジミ♀斑紋の場合、A型の赤橙色は『色素色』、B型の青色は鱗粉の表面にある微細構造による『構造色』(光や見る角度によって見える干渉)です。鱗粉内の色素と表面構造の形質とは、ちょっと考えれば“全くの別物”ですし、現れる位置さえ異っています。ですから、赤橙色と青色が同一の座で対立している遺伝子とは考え難いと思います。
A型、B型の2形質が近傍で連鎖している場合、これに似た結果になる可能性はありますが、それは複対立遺伝ではなく、偽複対立遺伝です。
実際には、中間型のような曖昧な型の個体もごく普通に出現すること、松井英子・松井安俊により、A型とB型が独立していて、低温とA型発現に相関がある(環境要因説)という報告(1993,やどりが155:32),(1994,やどりが157:23-24)もあることなどからみても、私は『ミドリシジミ♀の赤橙色斑、青色斑、無斑の三対立遺伝説』については支持出来ません。