「ベニシジミ」 |
=月の女神・Artemis=のあだ名が属名に関係する事を知って驚きました・・・「ベニシジミ」は、年に何回も世代を繰り返すし、草地・畑地・河川敷・草原地帯・山地などどこにでも居るという印象が深くてあまり注目して歩く事が少ない・・・しかし、このチョウを良く観察してみると、なかなか捨てがたい美しさを持っていることに気がつきます、もしこの「ベニシジミ」が希少種であったなら、恐らく美麗種の仲間に入選する事は間違いないと思います。生命力も強く、4,000メートルを越えるような寒い山岳地にも居ますし、聞くところでは北極に近い寒冷地にもいると言いますから、なかなかしたたかなチョウなのですね・・・北アメリカに住んで居たころ、アパラチア山脈の西側の国立公園=グレートスモーキー山=の山頂付近でこの「ベニシジミ」の近似種に出会ったときには感激したことがあります・・・。前翅の色が朱色をしたこのチョウは、春型では明るい朱色をしていますが、夏になるとやや黒っぽくなってきます・・・この発色については、他のチョウでもいえることですが、=季節型=の発現現象として有名で、幼虫や蛹の時期の日照時間や、気温などによって決定される事で知られています・・・「ベニシジミ」の場合には幼虫期の=日照時間=が大きく影響しており、一日24時間を明るい時間=明期=と=暗期=に分けるとすると、「ベニシジミ」では、明期が13時間以下の場合は、翅の色が明るく、明期が14時間以上だと、翅の色が暗くなると言います。このことを言い換えると「ベニシジミ春型」では、13L11D・・・明るい時間が13時間、暗い時間が11時間・・・で明るい朱色の翅のものが生まれ、14L10Dでは、暗い色の夏型が」発生すると言う事になります・・・。自然って奥深いですね・・・。ところで、「ベニシジミ」の属名:Lycaena と言うのは、冒頭述べたように、=月の女神:Artemis のあだ名:Lykaina をラテン語化したもので、雌狼のことなのだそうです。また、種名:phlaeas というのは、venus 女神(ウェーネス女神)の別名のことだといいます。なにやら、女神の名前がやたら出てきて解読するのにまごついてしまいました・・・。
小生は春型のすっきりした感じが好きです。
この蝶、寒さ、暑さに強く、非常に耐久力のある蝶です。
以前にも書かせていただきましたが、実家のわが父(13日で傘寿となりました)もやはり冠動脈に2本のステントを入れております。当初は当人も大分不安がっていましたが、「車で言えばエンジンの全取っ換えをやったようなもんなんだよ。オレの心臓よりも良く働くようになったんだから…」って言ったのが良かったのか、悪かったのか、「釣り三昧」の日々で、釣果自慢の電話ばかりです。
これからもお元気で色々とご教示のほどを…。
ベニシジミ、北極圏にも分布する「強~い(?)チョウチョ」ですよね。
ベニシジミは13L11Dとのこと、おもしろいです。小生は色白の方が好みですので、13Lの女神様が好きです。
これでまた心おきなくフィールドに出られますね。
ベニシジミの季節型の記事、面白く拝見しました。
14時間というのを調べてみたら4月下旬のようですが、幼虫の感受性のある時期はいつ頃なのでしょうか。
もし終礼期だとすると5月の中旬にはもう夏型が出てくることになるんですね。あるいは初齢の頃だと5月末から6月初旬かな。
感覚的にはこの位かなと言う気がしますが、興味あるお話しです。