ムラサキツバメの食樹「マテバシイ」 |
今日は、南方系のチョウ=ムラサキツバメ=の幼虫が食べる「マテバシイ」を取り上げてみたい・・・。自宅周辺や近くの公園、いつも行く北本自然観察公園の近くでも、この南方系のチョウが観察できるようになって久しい。
公園や暖地の植え込み、道路わきの街路樹などとして植栽される事も多く、ムラサキツバメも観察しやすくなった・・・。この「マテバシイ」、ブナ科マテバシイ属で、もともとは九州南部から南西諸島に多かった・・・初夏の頃、尻尾状の花序を付けて、その実、ドングリ=堅果も2-3センチぐらいあって群れて実るために立派で、とても大きく感じる。
「マテバシイ」のドングリのハカマ(袴)=殻斗=は、浅くて鱗状になっています。下の画像で立派な=ドングリ=を見てください。
2002-8-25 ドングリが立派な「マテバシイ」 埼玉県北本市
「マテバシイ」の葉は大きくて厚みがあり、立派ですが、かなり強い剪定をしても、再萌芽の力が強く枝打ちなどの伐採をしてもすぐに新芽が出てきます。
その「マテバシイ」の再萌芽の新芽に=ムラサキツバメ=が産卵にやってきます。
下の画像は、いつも行く北本自然観察公園脇の「マテバシイ」新芽に産卵に来たところを撮影したものですが、多くは新芽の柔らかい枝先などに産卵するようです。
「マテバシイ」の名前の由来ですが、北海道南部から中国大陸、瀬戸内、三河湾、東京湾などの干潟に生息する「マテガイ」という長方形の細長い刀のような「貝」がいますが、この「マテガイ=馬刀貝」に、似ていると言う事から名前が付いたと言う事のようです。ですから「マテバシイ」の葉を「マテガイ」に見立てたのでしょう・・・。「マテバシイ」も漢字で書くと、「馬刀葉椎」または、「全手葉椎」と書くと言います、=全手葉椎=は、どうやら「マテバシイ」の葉が好く繁り常緑潅木である事からといいます。我が家の庭にも「マテバシイ」のドングリを植えたらもう20センチぐらいに成長した・・・。それにしても、行政は、「マテバシイ」の剪定時期をもう少し遅らせてくれないかなァ・・・ムラサキツバメの幼虫が中令のころ枝をバッサリするのは、止めて欲しい・・・。
私も気にはしているのですが、自宅付近ではムラサキツバメ自体が少なくてなかなか産卵シーンまではお目にかかっていません。
この頃が個体数も多くなってきて、眼にしやすい時期になるのでしょうね。
2004年は、まだ我が家の近くまで進出していることを知りませんでした(^^;