小型のカモメ・・・「ミツユビカモメ」 |
今日の「ミツユビカモメ」は、小型のカモメで、丁度、ユリカモメと同じぐらいの大きさの外洋性のカモメです。数はそんなに多くないようですが冬期に日本全土の沿岸部で観察され、私も千葉県銚子港で観察したのが最初でした・・・。最初に見つけた時には、遠くの堤防に居たのを観察したのですが、何回か通っているうちに、近くで観察する事が出来ました、内陸部での観察は、渡良瀬遊水地で2001-1-15、16の両日観察した事があります。ユリカモメの項目で、新井白石の=鴨妻(かもめ)語源説を述べましたが、「万葉集」の中にも「鴨妻(かもめ)」を詠んだ詩があります。
「天降(あも)りつく 天の香具山・・・沖辺には 鴨妻(かもめ)よばひ 辺つ方に あぢむら騒き・・・」とあって、種類は解りませんが確かに=鴨妻(かもめ)が詠われています。
昔は、海で生活圏を持っているものと、川で生活するものとを区別していたようで、中国の漢語でも、海のカモメを=海鴎=として、川で生息しているものを=江鴎=としていたらしい。そういう意味では、「ユリカモメ」は、=江鴎=であり、今日の「ミツユビカモメ」は、さしずめ=海鴎=の仲間に入るのでしょうね・・・。
「ミツユビカモメ」の生息域の幅もかなり広く、北緯30度付近から北の地域の海に棲み、北限は、カナダ北部を除いて北極海に面した地域で生活しています。嘴が淡い黄色であることからなんとなく大人しそうなカモメに見えます。それでも、脚の黒さが際立っていますね・・・。