「ナガサキアゲハ」 |
先日、「狭山丘陵いきものふれあいの里センター」に勤務している学芸員の自然観察仲間が我が家にやってきた・・・若いけれども熱心な研究肌の仲間なのですが、来宅の記念に、狭山丘陵で撮影した「ナガサキアゲハ」観察の写真を持ってきてくれました・・・本人の事前了解を戴いたので今日は「ナガサキアゲハ」について掲載しようと思います。
私が「ナガサキアゲハ」を観察したのは、もう、随分前になりますが、沖縄でのことでした。翅の付け根の赤い斑紋が鮮やかだったのを昨日の事のように思い出します。その後、タイのバンコック郊外の「ムアンボラン歴史公園」で、インドシナ半島亜種も観察しましたが、今日の写真をみてその頃の感慨にひたりました・・・。
この「ナガサキアゲハ」、1985年頃には近畿地方、1990年に岐阜県養老町、1992年に愛知県、1993年には福井県、さらに、1997年ごろには静岡県・神奈川県と次第に北上北進を続けており、記録としては現在、山梨県・長野県南部、埼玉県・茨城県・群馬県・栃木県などでも見られるようになってきています・・・地球温暖化も怖いですね・・・。
さて、種名:memnon =メムノン と言うのは、エチオピアの王様でトロイア戦争に従軍した勇士、メムノーンに由来していると言います。尚、日本産亜種名:thunbergii というのは、江戸時代後期の安政4年から安政5年に掛けて日本にやってきたスウェーデン人の名前で、リンネの晩年の弟子だった人で、日本の博物の黎明期の発展に寄与した「ツンベルグ」の名前に由来していると言います。日本博物学の恩人の名前だったのですね・・・。
安政年間と言えば、大老「井伊直弼」が外国との通商条約に反対する大名や公卿を投獄したりした「安政の大獄」があった外国人にとって危険な時代に学問のためとは言いながらスエーデンから日本にやってきた「ツンベルグ」は偉かったと思います・・・。
2006-9-15 「ナガサキアゲハ」 埼玉県所沢市にて
撮影:石井 克彦 さん=埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター勤務
*この写真の著作権は、石井 克彦 氏にあります、無断転載しないでください。
本日は嬉しいお祝いのコメントを頂き、本当にありがとうございました。
スウェーデンの「ツンベルグ」さんが、日本に来ていたんですね…!
実はわたしが大好きな植物が在って、日本では「コダチヤハズカズラ」他国では「金魚の木」と呼ばれていますが、学名が「ツンベルギア」と言って、ツンベルグさんのお名前から、名前を貰ったそうです。植物学者として有名な方とばかり思っていたのですが、もっと広く生物を研究されていた方だったのですね。とっても素晴らしいお話に、すっかり感激してしまいました。
ところで、千葉の市川に住む友人が「ナガサキアゲハ」が
裏山に居ると教えてくれました。
この半月ほど、クロコノマありモンキアゲハありゴマダラがありと、楽しく読ませていただきました。それぞれにボクなりの思い出があり懐かしくなりました。
ところで「ツンベルグ」さんは呼吸の実験に用いられる「ツンベルク管」とは何か繋がりがあるのでしょうか?
きっと見る機会は増えると思いますが、一気に増える蝶ではないと思います。
長野県でも、松本市あたりが限界ではないかという考え方もあり、「リンゴ栽培地域」の南限辺りがその限界と合致するみたいです・・・。
別途、メールいたします。