「ムナグロ」は、今頃の季節にやってくる |
田んぼに水が入り始めるころ、やってくるのが、「シギ」や「チドリ」の仲間ですが、最初に観察したのが、さいたま市の田んぼだったので、この野鳥のことを思い出すのは、水の入り始めた田んぼを思い出してしまう・・・。寒いシベリアから南半球のオーストラリアまで遠距離飛翔していくのですから凄いです、その途中、春と秋の渡りシーズンに見られるので観察すると嬉しくなってしまいます。
江戸時代の前期、「本朝食鑑」という書物に・・・「・・・頭・背・翅・尾黒く、黄斑あり、胸は灰黒にして黒斑あり、腹は白し 呼んで胸黒鴫と号(なづ)く・・・」と説明があって、いろいろな別名があります。江戸時代後期に、「胸の色が藍色」だったことからと思われる「あひぐろ」「あひぐろしぎ」という名が見られ、江戸時代前期には「うすずみむなぐろ」とも云われたらしい。
また、「夏羽」の背中が黒地に黄色の斑紋が見えることから、「麦藁(むぎわら)」と名前が付いたものもあり、「むぎわらしぎ」がそれで、古い名前としては「むなぐろしぎ」という名が江戸時代前期の「食禽」に描かれているといいます。
胸の黒さを見立てた「藍」からは、地方名に残っていて、「アイグロ」(埼玉県・東京都・山梨県・奈良県・岡山県)、また、「アイクロ」(静岡県)、「アヒグロ」(千葉県)、「アヰグロ」(兵庫県)などがあって、やはり胸の黒が目立つのでしょうね・・・。