「アオバト」は、天気予報士? |
・・・昔々、ある長者の家に、働き者の牧童がいました。朝早く、山に「馬」を連れて行き、夕方には長者の屋敷に帰ってくるという真面目な仕事振りが際立っていました。しかし、ある日のことです、「アオ」と呼ぶ青毛の馬が見えなくなってしまいました、「アオ」は、長者がとても大切にしていた「馬」だったので、牧童は狂ったように「アオー、アオー・・・」と叫びながら探し回りました身体は傷だらけです・・・そのうち、責任感の強かった牧童は力尽きて倒れてしまい、彼の魂は「マオウドリ(魔王鳥)」になって「アオーアオー・・・」と今でも探し続けているのです。
これは、秋田県に伝わる民話ですが、「アオーアオー・・・」と鳴く鳥、これが「アオバト」だというのです・・・。秋田地方では、アオバトが鳴く時期がちょうど田植えの時期にあたり、田掻きに使った「馬」を山の放牧場に連れて行く時期と一致するので生まれた民話だろうと言われています。
さて、諺に、「マオが鳴くと必ず天気が悪くなる」と言うのがあります。この「マオ」と言うのが「アオバト」のことで、鳴き声は、「アオアーアオー・・・」とか「アオーオー・・・」「ワオーワオー・・・」などと、寂しげに鳴くので「マオウドリ」などと呼ばれてきたのです。
「マオが鳴くと必ず天気が悪くなる」と言うのは、青森県・愛媛県・大分県などに残っていて、和歌山県では、「雨が降るから青鳩を鳴かすな」と伝承されています。
この時期が「梅雨」にはいるころなので、「アオバト」も良く鳴くのです。
下の画像は、自宅から30分ほどのところにある、埼玉県比企丘陵で「冬季」に初めて観察した「アオバト」です。暖かくなると神奈川県大磯町・照ヶ崎で、海水を飲みにやってくる「アオバト」が良く観察されますが、「冬」の観察は難しいです・・・。