「ヒヨドリ」は、留鳥?渡り鳥? |
我が家の近くでも観察できる野鳥だし、庭にミカンを置いておくと真っ先にやってくるのがこの野鳥、「ヒヨドリ」です。なかなか騒がしくて、「メジロ」がいると、追い払ってしまう暴君なのです。よく観察してみると、なかなかデザインは素晴らしく、数が少なかったら、みんなに追い回されるのではないだろうか・・・。
梅・桜・椿などの花蜜を吸ったり、蕾のうちのコブシやロウバイを食べてしまうので嫌われることも多いようだ・・・。木の実も好きなようで、荒川の河川敷に生えている「キズタ」の実をヒレンジャクと争って食べていたのも思い出です・・・。
「ヒヨドリ」の地方名で多いのは、「ヒヨ」とか、「ハナスイ」と呼ばれるのも、鳴き声や行動からつけられたものでしょう・・・。平安時代から「ヒエドリ」の名前で知られていましたが、室町時代からは「ヒヨドリ」「ヒヨ」と呼ばれるようになったといいます。多分、鳴き声から付けられたと思われる地方名も多く、「ヒーギ」(千葉)、「ピース」(福岡)、「ヒヨス」(神奈川・広島・宮崎)、「ヒヨツバ」(熊本)、「ヒヨンジュ」(長崎)、「ヒヨウドリ」(徳島)、「ヒューシ」(沖縄)、また、奄美地方では「ヒュードイ」「ヒュウシ」「ヒウス」などとも呼ばれているようです。
一般的には、留鳥と思われている「ヒヨドリ」ですが、寒くなると北に棲んでいる個体が南下することが知られています。秋の渡りの季節には、津軽海峡に面した、北海道白神岬や、伊勢湾に突き出た、愛知県伊良湖岬では「ヒヨドリの渡り」が観察されています。茨城県つくば市の標識調査では、「留鳥タイプ」「渡り鳥タイプ」「冬鳥タイプ」の3種類あることがわかったそうです。その原因は、どうやら、「木の実」の豊作や不作に関係しているらしいと判ったのは最近のことのようです。身近な鳥でも行動の不思議はあるものですね・・・。=この項目は「森の野鳥を楽しむ」を参考にしました。