「コキンメフクロウ」・・・幻の一種、お騒がせ日記 |
私が野鳥観察を始めて、未だ1年も経たない頃、先輩に「生涯観察記録種」の数え方を教わりました。曰く、「家禽種、篭脱け種、亜種については、カウントしない・・・」というものでした・・・これは、自然状態の「野鳥」を対象に観察するので、守った方が良い、という厳しいルールでした。今でもこの基準を守るようにしています。
それ以降、自然に生きている野鳥に対する接し方を厳しく教わりました・・・。
その頃のことです、埼玉県志木市に「キンメフクロウ」か「コキンメフクロウ」らしい鳥が居ると言う話を聞き、早速出かけてみました。梅林のなかに、その鳥はいました。私には識別できませんでした・・・丁度、そのころ、東京湾の干潟に北極圏から珍しい野鳥「ヒメクビワカモメ」という珍客が来ていた事もあって、期待はいやがうえにも膨らみました。写真をパチパチ撮って、資料を調べましたが判りません、いつも行く「北本自然観察公園」の資料室で昔の書籍で、「黒田 長礼」と言う学者の鳥類図鑑に出ていましたが、解説文が「旧かなづかい」で難解でした。結局、そのうちにどうやら「篭脱け鳥」であろうと言うことに落ち着き、この鳥は「コキンメフクロウ」となって、「生涯観察記録」に加えることが出来ませんでした。この「コキンメフクロウ」の写真を見るたびに、ほろ苦い想い出がよみがえります・・・。
1999-11-28 「コキンメフクロウ」