「コマドリ」はコマドリに非ず |
赤い綺麗な野鳥の中に、「コマドリ」と言う綺麗な鳥がいます。鳴き声は「ヒンカラカラララ・・・」とか、「ヒンカララララ・・・」とさえずり、馬(駒)のいななきを連想することから「コマドリ」と名づけられたといいます。
この「コマドリ」に似ている野鳥に南西諸島にいる「アカヒゲ」という野鳥がいますが、この2種類の野鳥の「学名」に問題があるのです・・・。
オランダのライデン王立自然史博物館の館長(1778-1858)だった「テミング(Coenraad Jacob Temminck)」と言う学者が、日本産の「コマドリ」にakahige、琉球列島産の「アカヒゲ」にkomadoriと名前を付けてしまったのです。
図鑑を見ると、学名は、殆ど「二名式命名法」と言って、属名+種名で表されていますが、」その種名を開いてください・・・下のようになっています。
「コマドリ」・・・・・ Erithacus akahige
「アカヒゲ」・・・・・ Erithacus komadori
これは、テミングが「学名」を付ける時に、最初から各々の野鳥にラベルが付け間違っていたのか、それでなければ、整理する時にラベルが入れ違ってしまったのか、どちらかが原因で「コマドリ」が「アカヒゲ」に、「アカヒゲ」が「コマドリ」になってしまったのです。
国際動物命名規約18条(a)「一度創設された以上、属グループまたは、種グループの名称を、著者であっても不適当を理由として、後に破棄することは出来ない・・・」とあって、一旦印刷物で発表されたものは、変更できないという約束があるのです。
あだや疎かに「命名」出来ませんね・・・。