中国・漢名が由来・・・=ラン科=・「セッコク」 |
今から10数年前だったと思いますが、東京都西部の湿気の多い谷に向かった=バラ科植物=に寄生した「セッコク」をはじめて見ました。東南アジアに勤務していた頃、=ラン科=植物が樹に寄生しているのを何度も観察していましたが、日本国内で=ラン科=植物を見るとは思わなかったので、大層、驚きました。
あれから数十年・・・すっかり、この=ラン科=植物のことを忘れていました、昨年のゼフィルスの発生する頃でした・・・10数年前に観察した=ラン科=「セッコク」を思い出して、かの場所に行ってみました・・・。すると・・・この「セッコク」・・・なんと、その場所に花を咲かせていました・・・驚きました。
不思議な花の名前だな・・・そう思っていましたが調べてみたら・・・中国の漢名、=石斛=の日本語の音読みにした=セッコク=であることを知りました。
言われてみたら、なるほど・・・とうなずけますが、まったく変な種名だと思っていました。=斛(こく)=というのは、茎を石のように硬い水がめのような形に似ていることから、水分を含んだ=偽鱗茎(ぎりんけい)=をこの水がめに見立てたものだといいます。平安時代の頃から知られていたらしく、=偽鱗茎=という棍棒状の茎を乾燥させて・・・=少名彦薬根(すくなひこのくすね)=あるいは、=岩薬=などといって、薬用に用いられたらしい。しかし、この古名も「セッコク」の登場とともに、次第に使われなくなってしまったと言う、今では、「セッコク」だけが残ってしまった・・・。