「シロスジベッコウハナアブ」と「オオハナアブ」 |
なにやら、外気がとても寒い、これは今日はおとなしくしていないと身体に良くないような陽気になってしまった・・・。今日は、模様が似たものだけれども種類の違う、夏から秋にかけて「花」で良く見かける「ハナアブ」を2種紹介しましょう。
ハナアブの書籍や文献は、なかなか少なく専門書以外は手に入らないものが多く、調べている人も、昆虫好きの仲間も少ないような気がしています。
この「ハナアブ」は、人を刺す「アブ」と違って性質は極めて優しく、おとなしい・・・。
姿や形も「真ん丸くて」かわいらしいと思うのだが、どうだろうか・・・この「ハナアブ」という仲間は、その昔、「食蚜蝿(しょくがばえ)科」という科に属していて、もともと、しょくがばえ(食蚜蝿)というのは、アブラムシを食べる蝿という意味なのです・・・。
今では、ハナアブという仲間ですが、英語ではHover fly とか、Flower fly と言って「花」を訪れる様子が名前から感じられます。
前にも触れましたが、翅は2枚しかないので、ハチとはハッキリ区別できます。
2005-10-20 「シロスジベッコウハナアブ」 北本自然観察公園にて
*シロスジベッコウハナアブ
Volucella pellucens tabanoides Motschulsky, 1859
2005-10-20 「オオハナアブ」 埼玉県:北本自然観察公園にて
*オオハナアブ Phytomya zonata Fabricius, 1787
上の「シロスジベッコウハナアブ」は、胸の背中に黄色い紋がありますが、「オオハナアブ」では胸の背中が真っ黒です。
さらに、翅の中に「シロスジベッコウハナアブ」は茶褐色の斑紋が2箇所ハッキリありますから「オオハナアブ」と識別しやすいでしょう・・・。
「シロスジベッコウハナアブ」は日本やシベリア、サハリンなど比較的冷涼な地に棲んでいますが、「オオハナアブ」の方は、日本を含めたアジア全域に棲んでいます。
やはり、種類によって温度や湿度の好みが違うのでしょうね・・・。