「クマバチ」は本当におとなしいのでしょうか? |
自宅近くの「とっておきの散歩道」を歩いていくと、コスモスの花がハチの体重で大きく曲がっているのに出会います・・・。花の蜜を吸っている「ハチ」は、体全体が真っ黒で胸(頭の後ろ、背中)には黄色の毛を密生させています。小さいころから大きなハチだな・・・と思っていたあの「クマバチ」でした。体や脚は黒くて胴は黒光りしていて、脚は毛むくじゃらの剛毛が生えていました。
いろんな図鑑とかホームページを見てみると、「クマバチの性質はとてもおとなしく、触らなければ刺されることはない・・・」と一様に同じ説明がしてあります。
でも、良く考えてください。熱帯地方にハリナシバチという刺し針の退化した種類が棲息してはいますが、日本のハチが刺さないなんてあるのでしょうか・・・。
冬眠から覚めたばかりのクマバチ♀は、寒さのためにあまり動けず、近づこうとすると威嚇して刺そうとしますから、やはり注意したいです。
でも、春先にチョット明るい林縁で「テリトリー」を張る♂は刺しません。
京都大学農学部の昆虫研究員の報告によりますと、京都府北山地方では、子供たちがクマバチの「♂」を捕まえて糸で縛り、「花」の咲いている木に糸を巻きつけ、学校帰りにそのクマバチ♂の腹に溜まった「蜜」を吸うという遊びがあるそうです。
でも、♀は、絶対に触っては駄目です・・・必ずハチの「針」に刺されてしまいます。
それでは、クマバチの「♂」と「♀」の区別はどうやって見分けるのでしょうか・・・。
私の散歩道では、刺す「♀」しか写真に撮ってないのでメスの画像を掲載します。
2005-9-26 クマバチ ♀ 川越市:小畔川にて
* 安全な「♂」は、顔面に「三角形」の黄白色斑があります。
*クマバチ Xylocopa appendiculata circumvolans Smith
5月頃、開けた場所で「ホバリング」している「♂」に出会うことが出来ますので、その頃野山を歩いてみてください。きっと感動しますよ・・・。
この「熊サン」のような風貌のクマバチの産室は古材や枯れた枝などに「穴」を掘って「巣」をつくりますが、その産室は直列に構築して、花蜜と花粉で作った「団子」をその中に入れ、卵を産み付けます。こうした行動が西洋でも「いろんな細工をする大工さん」に見えたらしく、英名ではCarpenter Bee と言う名前になっているのです。
洋の東西を問わず、クマバチの行動を良く見ているのですね、ビックリです。