=キバネセセリ=食樹・・・ウコギ科・「ハリギリ」 |
=ウコギ科=ハリギリ属・・・「ハリギリ」には、刺がある
北海道全域と本州の山地を中心に多く観察されますが、四国や九州ではやや数が少なくなる=セセリチョウ科=「キバネセセリ」の幼虫時代の食樹が・・・「ハリギリ」です。幹には縦に筋がありますが、その主幹から出た=枝=には、かなり丈夫な=刺(とげ)=があるのが特徴です。葉は、手を拡げたような=掌状=になっていますが、1枚1枚がかなり大きいです。下の画像でわかるように、紅葉したイロハモミジと比較するとその大きさがわかるでしょう・・・。この「ハリギリ」を探して地面を見ながら歩いていくと・・・大きな=手の形をした葉=に気が付いて、上を見上げると、枝に丈夫そうな刺があったので・・・「ハリギリ」だと判ったほど目立ちました。
=キバネセセリ亜科=は、翅を立てて止まる習性がありますが、この「キバネセセリ」も同様の習性があります。
越冬は、2令幼虫ですが、下の画像を見てください・・・幹は、=ブナ科=「アベマキ」と同様に樹皮がコルク質で覆われています、そのコルク質の隙間の樹皮に近い場所で=越冬=します。寒さを避けるためか、2令幼虫は、糸を吐いて2~3ミリの楕円状の繭(まゆ)の中に隠れていると言います。
幼虫が摂食するのは、他のセセリチョウと同じように=夜間=行われ、蛹化は他種同様に=天井=(葉を綴って蛹になるので、葉の上の部分に逆さまになる)で蛹になるといいます。セセリチョウ科の中では脱皮数が多い方で、最終令は、=ミヤマセセリ=と同じように=6令=だといいます。
「ミヤマセセリ」のフルステージ観察も大変でしたが、いつか、「キバネセセリ」も全ステージを観察してみたいです・・・。
小枝の針の突起が痛そうで、葉は天狗が愛用しそうですが、ヤツデまでにはいかない大きさなのですね。
天井とは、樹上の意味でしょうか。
なかなか観察できないものなので、是非観てみたいです。