「チョウセンカマキリ」=別名:「カマキリ」 |
=カマキリの仲間=は、日本では、カマキリ科とハナカミキリ科の2科に分類されています。ハナカミキリ科ではヒメカマキリ・サツマヒメカマキリが居ますがその他の=カマキリ類=は全て=カマキリ科=に分類されています。今日の「チョウセンカマキリ」も=カマキリ科=の一種です。
単に種名で(和名)「カマキリ」と言う場合は、この「チョウセンカマキリ」のことだといいます。
=カマキリの仲間=は、昆虫網の=カマキリ目:mantodae=・・・ラテン語の=予言者と言う意味=から付けられています。英語で「オオカマキリ」を Chinese mantis・・・中国に棲息するカマキリ・・・といいますが、「チョウセンカマキリ」のことは、Korean narrow-winged mantis・・・朝鮮に棲息する翅幅の狭いカマキリ・・・といって両種の棲息地と前翅の幅を基準にして英名が付けられているようです。
古来、中国ではカマキリを=蟷螂・螳螂=と書き、「蟷螂(とうろう)の斧」と言う言葉があります、=蟷螂の斧=というのは、自分の力量を省みずに敵に歯向かうという儚い抵抗をすることだと言います。
=カマキリ類=は肉食で前脚のおおきな鎌を振り上げて目的の餌を捕獲すると言う残忍な姿を想像しますが、その前脚を揃えて胸部に付けている姿が、キリスト教圏やイスラム教圏では敬虔なお祈りをする姿に見えるらしく、=お祈りをする=という意味の言葉が使われることが多い。
ギリシャ語では=mantis=というのは、=予言者=のことで、カマキリ類の姿がお祈りをする予言者に見えているのかもしれません。
日本でも古くは、=拝み馬=(おがみうま)と言われました・・・。
普通は「カマキリ」・・・(蟷螂・螳螂)と言ったら、昆虫網の=カマキリ目=に分類される昆虫の=総称=のことです。
従って、単に「カマキリ」と使ったのでは、総称のことなのか種名「カマキリ」=「チョウセンカマキリ」のことなのか判断できません・・・同じようなことが、昆虫の蝶にもあります・・・アゲハチョウ科「アゲハチョウ」、ヒョウモンチョウ類の「ヒョウモンチョウ」・・・良く混同してしまいます。
*チョウの場合には、=ナミ(並)=と冠することで区別する人も多いようです。
そうした混同を避ける為に恐らく「カマキリ」を棲息地で分類されているように=チョウセン(朝鮮)=の語を冠して「チョウセンカマキリ」と呼称して=総称=と区別したのかもしれません・・・。
同じような総称と種名が同じと言う事例は他にもあるかもしれません・・・。
=カマキリ類=は、蝶などの=完全変態=をする昆虫と違って、=不完全変態=をして成虫になります、つまり、バッタ・トンボ・カゲロウ・カワゲラなどは、卵→幼虫→成虫 という変態過程を通じて=蛹=の時期が無いのです。
幼虫期に翅・脚・外部生殖器など成虫に見られる部位(成虫原基という)が表面に現され、どちらかと言うと原始的ななかま、ゴキブリに近い仲間だといいます。
2009-11-7
*似ている「オオカマキリ」は、下記の表題をクリックしてください。
「オオカマキリ」