「ウラナミシジミ」 生活史 |
昨日、狭山丘陵に行ったら、=センダングサ=にたくさんの「ウラナミシジミ」が居ました・・・そうだ、「ウラナミシジミ」の生活史を未だ纏めていなかった・・・そこで、今日は「ウラナミシジミ」の古い写真を引っ張り出して掲載することにしました。
今から7年前のことでした・・・九州大学農学部 白水 隆 博士の「原色日本蝶類図鑑」で読んだ「ウラナミシジミ」の低温期型・・・「冬型」の記事に興味を持ち、機会があれば飼育してそのウラナミシジミ」=冬型=の色彩を観察したいと考えていました・・・。
2002年10月9日のことです、自宅近くを流れる=小畔川=の辺を歩いていたら、マメ科の植物に「ウラナミシジミ」がかなり産卵しているのに気がつきました、そこで、畑の持ち主に=卵=を幾つか貰いたいとお願いしたところ、丁度、週末に全て引き抜く予定だといいます・・・。
そこで、この=中国産のマメ科=から20卵を採卵させてもらい、スーパー・マーケットから「キヌザヤ」と「インゲンマメ」を購入してナイフで半分に切って与えて飼育することにしました・・・。
然し、寒さのためか、10月16日に孵化したものも摂食しないものが多いようです・・・そこで、飼育容器をバスタオルで包み、さらに、発砲スチロール箱に入れて、外側から毛布で包み夜間の外気を遮断しました・・・。
故 白水 隆 博士によりますと、この「ウラナミシジミ」・・・秋の訪れとともに北上を続けるのですが、霜が降りる頃になると、寒さで死滅してしまうとあります・・・従って、「冬型」を観察するには、年平均気温が12度以上ないと難しい・・・とあります。埼玉県では無理なのだろうか・・・心配になりました。
それでも、保温の効果があったために、結果的には蛹になり、無事に「ウラナミシジミ」の「冬型」=低温期型=が11月26日から28日にかけて5頭=羽化=してくれました・・・。庭では既に霜が降りていました・・・。
*このように手厚い保温をしても羽化率25%でした・・・。
北上して、「死滅回遊」という悲しい運命にある「ウラナミシジミ」の生態の一端を観察できた幸せを心から感謝しています・・・この時の=冬型=は貴重な実験結果として大切に保管しています・・・。
「ウラナミシジミ」 撮影年月日と撮影場所は下記のとおりです。
① 卵 2002-10-9 埼玉県:川越市・小畔川 ② 若令幼虫 2002-10-16 埼玉県:川越市 ③終令幼虫 2002-10-16 ④ 蛹 2002-11-3 ⑤ 高温期型・成虫 2002-9-23 埼玉県:川越市 ⑥ 冬型・成虫 2002-11-28 ⑦ 成虫 2009-10-4 埼玉県:狭山丘陵
*上記画像の=オレンジ矢印=のあるのが=冬型(低温期型)=です。
秋に見る普通の子と全く異なり別種のよ
うに感じます。
どちらも綺麗な蝶ですね!
宮崎の祖母の庭にエンドウ豆が植えてあり、この豆に時々幼虫を見つけることが出来ました。九州では見慣れた蝶ですね。